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TOKADO COFFEE STAND

2025.5 /

福岡市・天神の再開発促進事業「天神ビッグバン」の目玉として先日開業した大型複合施設「ONE FUKUOKA BLDG.(通称:ワンビル)」の地下2階にオープンした株式会社豆香洞によるコーヒースタンド。
豆香洞コーヒー白木原本店(2008年)・豆香洞珈琲焙煎所(2015年)に続き、弊社にて設計させていただきました。
今回、コーヒースタンドという新たな業態を開業するにあたり、与えられた区画は10坪強。区画中央には建物躯体柱があり、管理シャッターやお客様がレジに並ばれるスペースを考慮し、テナントリースラインからセットバックした実際に使用できる面積は9坪弱という狭さの中で、コーヒーをサーブするスペース・作業スペース・ストックスペースを設ける必要があり、その平面計画にあたり、店側から提出された使用予定機器一式を落とし込む作業に苦労しましたが、オーナーと協議を重ねた結果、必要最小最適なスタッフ動線を導くことが出来ました。
店舗デザインにおいては、「これまでの豆香洞店舗を凝縮した様な店創りを」という要望から、オーナーへのインタビューなどでメディアにも頻繁に取り上げていただいて周知の焙煎所の床壁全面に使用した天然石ブリティッシュストーンを再び採用。その石壁に付随するアンティークのブラケットライトは、焙煎所と同型のものを探し出し、ドアや窓はスチールにて製作後エイジング塗装仕上、お客様の会計〜商品受取までの一連の流れに沿って(スタッフがコーヒーをサーブする流れにも沿う)設けたカウンターの腰壁及び上部垂壁には北米の納屋や倉庫の外装材として使われていた古材を選定、豆香洞コーヒーの歩みと西洋の歴史をリンクさせた様なデザインにしました。
外からは目視できない垂壁内側には、大量の収納ができる様にもなっております。
「美味しいコーヒーを給水所のようにchargeできる場所にしたい」というオーナーの思いを掲げた「Coffee Charging Station」というタイトルを正面発光サインにしたいという要望を、様々な設計規制のある複合ビルにおいて施設側が許可していただいたおかげで、共用通路からの視認性とブランドイメージを高めることもでき、石と木の自然素材による視覚的な落ち着きと高級感を両立した空間になったと思います。

福岡県福岡市中央区天神1丁目11-1 ONE FUKUOKA BLDG. B2F
https://tokado-coffee.shop-pro.jp/
https://www.instagram.com/tokado_coffee/
Photo:Kenta Kawasaki/PHOTO Gauche